清書せいしょ)” の例文
こんなことを、こまごまとかいて、それをねえさんが清書せいしょをし、おかあさんが、つえをついて、とぼとぼと役所やくしょまであるいていってさしだしました。
面喰った課長の前に、小学生のお清書せいしょの様な大文字の辞表を投げつけて、ぐっと溜飲りゅういんを下げた宗三は、まだ午前十一時というに、大手を振って帰って来た。
接吻 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
と、今度は蛭子えびす様——これは前に大黒の稽古が積んで経験があるから、いくらか形もつく。大黒が十のものなら五つで旨く行って、まずそれでお清書せいしょは上がるのです。
子どもが読んでから帳面にるそうだと、告げてくれたことである。九州の或る町からは、お清書せいしょのような字を葉書に書いて、鹿しかつのの遊びを知らせて来た少女がある。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しばらくやすんでから、こんどはみんなで先生について川の北の花崗岩かこうがんだの三泥岩でいがんだのまではいったんだ地質ちしつや土性のところを教わってあるいた。図はつぎの月曜までに清書せいしょして出すことにした。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
清書せいしょがあったら見せてくれ」
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)