清掻すがが)” の例文
和琴わごん清掻すががきに弾いて、「玉藻たまもはな刈りそ」と歌っているこのふうを、恋しい人に見せることができたなら、どんな心にも動揺の起こらないことはないであろうと思われた。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
支那しなから伝わった弾き方をする楽器はかえって学びやすいが、和琴はただ清掻すががきだけで他の楽器を統制していくものであるからむずかしい芸で、そしてまたおもしろいものなのである。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
ただ清掻すががきをされるのにもあらゆる楽器の音を含んだ声が立ちますよ
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
貫川ぬきがは瀬々せぜのやはらだ」(やはらたまくらやはらかに寝る夜はなくて親さくる妻)となつかしい声で源氏は歌っていたが「親さくる妻」は少し笑いながら歌い終わったあとの清掻すががきが非常におもしろく聞かれた。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)