海豹島かいひょうとう)” の例文
ただいまは高原君が樺太旅行談つけたり海豹島かいひょうとうなどの話をされましたが実地の見聞談で誠に有益でもあり、かつ面白く聴いておりました。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
海豹島かいひょうとうといって、おっとせいが黒山のようにいたり、ロッペンちょうが雪のように翔けていたり、それはお伽噺にあるようなおもしろい島があるそうです。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
まだ海豹島かいひょうとうへ行って膃肭臍おっとせいは打っていないようであるが、北海道のどこかでさけってもうけた事はたしかであるらしい。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
話はそれから航海中の出来事や、横断のパンク自動車、逢坂の後家さんの安来節、これから廻ろうという敷香しくかのオロチョンギリヤークの生活、海豹島かいひょうとうの噂に移った。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
オホツク海は海豹島かいひょうとうに三十万羽も羽ばたいているというロッペンちょうを聯想して、吾々の六人をもじったものだ。たわいのないことおびただしい。このロッペン団かなり不良である。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)