法華経ほけきやう)” の例文
旧字:法華經
短冊や、消息、自ら書写した法華経ほけきやうを見るに、能書である。和歌をも解してゐた。かたちが美しくて心の優しい女であつたらしい。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かく武さんは昔の坊さんの法華経ほけきやうなどを筆写したやうに勇猛に聖書を筆写したのである。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
鶯の鳴く声は、あれで法華経ほけきやう々々々/\と言ふのぢやさうな。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
長雨や出水でみづの国の人なかばつどへる山に法華経ほけきやうよみぬ
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)