河尻かわじり)” の例文
「ただ、寺域は広い。伽藍がらんも多い。やるとなれば、もう一応、河尻かわじり殿へ沙汰して、これへ人数および、万全を尽さぬと、可惜あたら野鼠のねずみを逃がすおそれもある」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何でも源氏の軍勢は、淀の河尻かわじりに寄せたとかいう話で、おおかた、そのことが書いてあるんじゃないですか」
そのかみの東国、武蔵の国の、浅草川の河尻かわじりのなかでも、この一角はもとからの森であったのかもしれない。ともかく、かなりの太さの杉の木立ちも残っていた。
と数千の兵を分けて、包囲にかかった直接の指揮者は、麾下きか河尻かわじり肥前守だった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)