毫末がうまつ)” の例文
(四) 道人の書は、作品にあつては、漢字は漢字、仮名は仮名にかきわけられてゐるが、ただし、両者をまつたく同じ態度でかき、毫末がうまつも区別をつけてゐない。
秋艸道人の書について (新字旧仮名) / 吉野秀雄(著)
くの終りに至るまで著者の胸中には毫末がうまつも封建社会革命の目的若くは其影すらもあらざりしなり。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
孫どもはかういふ老翁の死などには悲歎することなく、蜜柑みかん一つ奪はれたよりも感じないのである。そこですくすくと育つて行く。この老翁には毫末がうまつの心配もらぬのである。
(新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)