毎朝まいちょう)” の例文
寺の僧侶が毎朝まいちょう早起そうききょうしょうし粗衣粗食して寒暑の苦しみをもはばからざれば、その事は直ちに世の利害に関係せざるも、本人の精神は
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
留守居になってからの貞固は、毎朝まいちょう日のいずると共に起きた。そして先ずうまやを見廻った。そこには愛馬浜風はまかぜつないであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かれは東京の毎朝まいちょう新聞の銚子支局の記者でしたが、さっそく、くわしい記事を書いて、本社に送りました。その記事が毎朝新聞に大きくのったのです。
妖星人R (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
毎朝まいちょう不浄ふじょうのもの検査すべければ薬局に送り届けよなぞ、医師はおごそかにいひ置きて帰り行きぬ。わがには父いませし頃より二十年あまりも召使ふ老婆あり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
毎朝まいちょう役所へ出勤する前、崖の中腹ちゅうふくに的を置いて古井戸の柳を脊にして、凉しい夏の朝風あさかぜ弓弦ゆみづるならすを例としたがもなく秋が来て、朝寒あささむある日、片肌脱かたはだぬぎの父は弓を手にしたまま
(新字新仮名) / 永井荷風(著)