止利とり)” の例文
当時は止利とりが法隆寺の釈迦三尊を刻んだ時とわずかに二十年余をへだつるのみで、その様式はなお盛んに行なわれていたと思われる。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
伝説的に最古の仏師と目せられる鞍作くらつくり止利とりが個人の名を残しているだけで、他に一名もわが名を残そうとして仏像や建築に署名した者も居らぬ。
飛騨の顔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
法隆寺の金堂の本尊はうまでもなく正面に安置せられてある釈迦しゃか像であって、作者が鞍作鳥くらつくりのとり(又は止利とり)なることは光背こうはい銘文によって明らかである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)