“櫟谷”の読み方と例文
読み方割合
いちだに100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは系譜を見ることをもちゐずしてこれを知ることを得た。十月四日には入江若水いりえじやくすゐの墓を弔した。若水、名は兼通けんつうあざな子徹してつである。嘗て僧似雲が任有亭にゐた時、若水は櫟谷いちだににゐた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
梅陽軒は空僧院くうそうゐんである。「幽寺無僧住。随縁暫寄身。」院は竹林ちくりんの中にある。「蘿纏留半壁。竹邃絶比隣。」そして門前をば大井川の支流芹川せりかはが流れ過ぎ、水を隔てて嵐山の櫟谷いちだにを望み見る。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)