キユウ)” の例文
春宵朗らかに球を撞けば、胸に愁ひあるを忘れ、秋夕粛やかにキユウを滑らせば、頭痛忽ちにして去る——と。
玉突の賦 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
彼人々は余が倶に麥酒の杯をも擧げず、球突きのキユウをも取らぬを、かたくななる心と慾を制する力とに歸して、且は嘲り且は嫉みたりけん。されどこは余を知らねばなり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼人々は余がとも麦酒ビイルの杯をも挙げず、球突きのキユウをも取らぬを、かたくななる心と慾を制する力とに帰して、かつあざけり且はねたみたりけん。されどこは余を知らねばなり。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)