格子口こうしぐち)” の例文
貫一も彼のあるじもこの家に公然の出入でいりはばかる身なれば、玄関わきなる格子口こうしぐちよりおとづるるを常とせり。彼は戸口に立寄りけるに、鰐淵の履物はきものは在らず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ぼんやり格子口こうしぐちに立っていたもんだから、すばやくこの死人といっしょに寝棺の中へへえってしまって、まんまと破獄させてやったというんですよ
幸助は深喜を格子口こうしぐちへ案内し「おいらは、こっちからのお出入りはできねえのさ」
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
敬太郎けいたろうは正式に玄関の格子口こうしぐちへかかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)