栗山くりやま)” の例文
奥日光おくにっこうの北に栗山くりやまと呼ぶ広い部落があります。全くの山村で物語りの多い所ですが、山の生活が色々のものを生み出します。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
線路レールの枕木を切り出す山林やまを見に、栗山くりやまの方へ、仲間と一緒に出向いて行った。大分つかい込みの出来た叔父は一層もうけ口を見脱みのがすまいとしてあせっていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
密林鬱乎うっことして怪鳥かいちょう梢に鳴く深山を行くこと二里余、初めて広々とした高原へ出た。ここから左方に高原たかはらの山がそびえて見える。右方の栗の古木は栗山くりやまヘ続く林だということだ。
それは母里もり太兵衛と、栗山くりやま善助とよぶ、若い郎党ろうとうだった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)