左千夫さちおいふ柿本人麻呂かきのもとのひとまろは必ず肥えたる人にてありしならむ。その歌の大きくしてせまらぬ処を見るに決して神経的せギスの作とは思はれずと。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
また高市皇子尊たけちのみこのみことの城上の殯宮ひんきゅうの時にめる柿本人麻呂かきのもとのひとまろの長歌(万葉集巻二)によって更に有名であろう。けだ壬申じんしんの乱は、わが国史において未曾有の異変だった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)