柄曲えまげ)” の例文
京から大津へ出る美濃路の口にあたる栗田口や逢坂ごえには、兇悪無慙な剽盗ひょうとうがたむろしていて、昼でも一人旅はなりかねる時世だったが、泰文は蝦夷拵えぞごしら柄曲えまげの一尺ばかりの腰刀を差し
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
当時、粟田口や逢坂越に兇悪無慙な剽盗がたむろしていて、昼でも一人旅はなりかねる時世だったが、泰文は蝦夷拵え柄曲えまげの一尺ばかりの腰刀を差し、伴も連れずに馬で膳所ぜぜの遊女宿へ通った。
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)