林崎はやしざき)” の例文
淡路街道と丁字ていじ形になる追分から北へ走って、林崎はやしざきのひろい塩田の闇に、潮焼しおやき小屋のかまどのけむりが並木越しに白く眺められた頃である。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
霞亭は庚午の夏より冬に至るまで、林崎はやしざきにあつて文庫の書を渉猟し、諸生を聚めて経を講じ、又述作に従事した。山陽は「院蔵書万巻、因益致深博」と云つてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
四六 栃内村の林崎はやしざきに住む何某といふ男、今は五十に近し。十年あまり前のことなり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
四六 栃内村の林崎はやしざきに住む何某という男、今は五十に近し。十年あまり前のことなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
林崎はやしざき夢想流という抜刀(居合)の流祖林崎甚助重信などは、やはり天文、永禄の時代を、その郷土出羽国を出て、諸州を歩いているが、彼の武者修行ぶりなどは、典型的な孤行独歩だった。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)