末胤まついん)” の例文
真田は、信濃の名族海野うんの小太郎の末胤まついんで、相当な名族で、祖父の幸隆の時武田に仕えたが、この幸隆が反間を用いるに妙を得た智将である。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「不遇な楠氏なんし末胤まついんでも、葬られているかと存じましたところ、いかにも先生の仰せられるとおり、神代遺物が出て来ようとは、いささか意外でございました」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
八つまではなだへうちこむ五斗兵衛ごとべえ末胤まついん酔えば三郎づれが鉄砲の音ぐらいにはびくりともせぬ強者つわものそのお相伴の御免こうぶりたいは万々なれどどうぞ御近日とありふれたる送り詞を
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
この得印兼光は、じつに孫六の末胤まついんだったのである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)