有象無象うざうむざう)” の例文
「ふむ。そしてそれを君や世間の有象無象うざうむざうに踏んづけさせてくれようと云ふんだね。——有り難う、僕は御免蒙るよ。」
驚いた有象無象うざうむざう雪崩なだれ落ちるやうに外へ飛出して了つて、後に殘つたのは、おひな、お染、友二郎、六兵衞、それに本店から驅け付けた手代のうち、一番縁故の深い
參禪の座でまだ悟りといふ一種の催眠状態に向はない心に世の有象無象うざうむざうが現はれて來る樣に、三味線のばち、太鼓の棒、客の顏、藝者の目つき、おいらんの膝などが氣になつて眠られない。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
有象無象うざうむざうの込み合ふなかを、子供を伴れて
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)