暗中くらがり)” の例文
が、広間の暗中くらがりに吸込まれて、誰も居ない。そのこぼれた裾、肩が、女まじりに廊下に背ばかりで入乱れる。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
片山家かたやまがおそ縁柱えんばしら暗中くらがりに、しにして、もだえてふるうでからは、れた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やしろの裏を連立って、眉目俊秀びもくしゅんしゅう青年わかもの二人、姿も対に、暗中くらがりから出たのであった。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
談話はなし途切れて宿の亭主は、一服吸わんと暗中くらがりを、手探りに、煙管きせるを捜して
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)