明店あきみせ)” の例文
この頃の大水に浸つた家々のゆかは、まだ乾かない。夜は焼鳥とおでんやの出る角端かどつぱ明店あきみせの前へ棚を据ゑて、葉のしなびた朝顔鉢が七つばかり並べてあつた。うりものと仮名で貼札してある。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
本町通りにちらほら明店あきみせ、赤絵が世に出て、めくりになるやら、四貫の相場が、五貫になるやら、六位の武家衆が、侍従になるやら、三汁五菜が湯漬けになるやら、町人百姓が、乞食になるやら
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)