日附ひづけ)” の例文
日附ひづけは書いてないが墨色すみいろも書体も一様でないところを見ると、一に書いたものでないことが明らかで、間々まま聯絡れんらくがついている。
狂人日記 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「——娘さん。鴨下ドクトルから、二、三日うちに当地へ来いという手紙が来たという話やが、それは何日の日附ひづけやったか、覚えているか」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「へんなこともあるものじゃ——まさしゅうこれは家康公いえやすこうのお手紙で、おまけに今夕こんゆうのお日附ひづけとなっている」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家督相続の年には、抽斎が十八歳で、隠居した父允成ただしげが五十九歳であった。抽斎は相続後ただちに一粒金丹いちりゅうきんたん製法の伝授を受けた。これは八月十五日の日附ひづけを以てせられた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
日附ひづけのところを指さした。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)