“旅行鞄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
トランク75.0%
りょこうかばん25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真先まっさきに来たのは白い革の旅行鞄トランクで、それがあちこちり剥けているところは、旅に出たのは今度が初めてではないぞといわんばかりだ。
が、逃亡のつもりで盗品全部はすべて旅行鞄トランクの中に納めてあったのだろう、さすがに出てきたのは貴金属類を除いた証拠品ばかり。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そして青年の前には、かなり大きな旅行鞄りょこうかばんが置いてあった。鞄に縫いつけられた厚紙には、大きな黒い文字の名前が見えていた、「マリユス・ポンメルシー。」
ぎっしりと詰った旅客たちの間にはさまれ、彼も岸の方へ進んで行くのだが、彼の旅行鞄りょこうかばんには小さな袋に入れた糸瓜へちまの種が這入っていて、その白い種の姿がはっきりと目にちらついてならない。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)