新手にいて)” の例文
声をらし合うこの怪しげな行事は、名づけて新手にいて村の悪口祭りといい、宵の頃よりはじめて、除夜の鐘の鳴りそめる時まで、奇声悪声の絶え間がない。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
嘘八百と出鱈目仙人で狐狸こり固めた信州新手にいて村はおろか信州一円に隠れもなきアバタ男、形容するに言葉なきその醜怪な面相には千曲川の河童も憐憫の余り死に
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
さるに些か思う所存あって、今宵新手にいて村の上空を飛行せしに、たまたまこの山中に汝の姿を見受けし故、忍術の極意を以って木遁を行いしが、最前よりの汝の働き近頃屈強なり。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)