新夫人にいおくさま)” の例文
竜胆りんどう撫子とこなつでございます。新夫人にいおくさまの、お心が通いまして、折からの霜に、一際色がえました。若様と奥様の血のおもかげでございます。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女房 いえ、貴女は、あの御殿の若様の、新夫人にいおくさまでいらっしゃいます、もはや人間ではありません。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新夫人にいおくさまの、まだ、海におれなさらず、御到着の遅いばかり気になされて、老人が、ここに形を消せば、瞬く間ものう、お姿見の中の御馬の前に映りまする神通じんずうを、お忘れなされて
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)