これは新停車場しんていしゃじょうへ向って、ずっと滝の末ともいおう、瀬の下で、大仁通おおひとがよいの街道をわきへ入って、田畝たんぼの中を、小路へ幾つかうねりつつのぼった途中であった。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)