じよう)” の例文
しかも、これらの貴族豪族は、多くは前国司の位置にあつたかみとか、すけとかじようなどで、その任国に土着したもので、人望も厚く、各地に強力なる武士団を形成したのである。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
諸国のすけかみじようやは、騒乱を鎮める為に戮力りくりよくせねばならぬのであるが、元来が私闘で、其の情実を考へれば、あながち将門を片手落に対治すべき理があるやうにも思へぬから
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
その年の秋の除目じもくに正道は丹後の国守にせられた。これは遙授ようじゅの官で、任国には自分で往かずに、じようをおいて治めさせるのである。しかし国守は最初のまつりごととして、丹後一国で人の売り買いを禁じた。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)