“捕(つ)” の例文
「こうか。——なるほど、こりゃ大変浅い。これなら、僕が蝙蝠傘(こうもり)を上から出したら、それへ、取(と)っ捕(つ)らまって上がれるだろう」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この女は非合法にされてからは、何時(いつ)でも工場に潜(も)ぐりこんでばかりいたので、何べんか捕(つ)かまった。それが彼女を鍛えた。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
おれが戸を開けて中に居る奴を引っ捕(つ)らまえてやろうと、焦慮(いらっ)てると、また東のはずれで鬨の声と足拍子が始まった。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
捕(つ)かまった、皆そう思い立ち止まって、振り返ってみた。源吉だった。
人を殺す犬 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)