“拇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おや66.7%
おやゆび33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、今度はガルールが、相手の容子ようすをじろじろと見かえした。その男も陽にけて筋骨逞ましく、手の甲のおや指のところに碇の入墨がしてある。
稚市の両手は、ちょうど孫の手といった形で、左右ともに、二つ目の関節から上が欠け落ちていて、おや指などは、むしろ肉瘤といったほうが適わしいくらいである。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「ええと、今何でさ、合せてなんて、余計なことを言いなすった時、おやゆび引懸ひっかけて、上が下りて一ツ飛んで入りましたっけ。はてな、」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
奥畑は急にちょっと居ずまいを改めて、口付の煙草の灰をおやゆびでトントンと灰皿にはじき落しながら
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)