押放おっぱな)” の例文
そうしてしまえば、ねだ下、天井裏のばけものまでもない……雨戸の外の葉裏にいても気味の悪い芋虫を、銀座の真中まんなか押放おっぱなしたも同然で、あとは、さばさばと寐覚ねざめい。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うぬが使ってる者がこんな怪我をしてるのに、医者に寄越よこすッて、ないらやみの猫を押放おっぱなしたような工合は何たる処置だい、あねさんをつけて寄越さないまでも、腕車くるまというものがないのじゃあなかろう
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)