あたかも)” の例文
かういふ事実があつて、無意識ながら意識を起して来て、其規則を宛てはめて来るから、あたかも、音韻変化と言ふ考へに這入つて来るのである。
貴方あなたはな、とそれ、かつる。あのまぶたくれなゐふものが、あたかもこれへる芙蓉ふようごとしさ。自慢じまんぢやないが、外國ぐわいこくにもたぐひあるまい。新婚當時しんこんたうじ含羞はにかんだ色合いろあひあたらしく拜見はいけんなどもおやすくないやつ
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
津堅ツケンの島(中頭郡)では、島の六月の祭りを「うふあなのウガン」と言うて、其頃あたかも寄り来る儒艮ザンを屠つて、御嶽々々に供へる。其あまりの肉や煮汁は、島の男女がわけ前をうけて喰ふ。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)