“思慕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しぼ80.0%
エロス20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「静御前」と云う一人の上﨟(じょうろう)の幻影(げんえい)の中に、「祖先」に対し、「主君」に対し、「古(いにし)え」に対する崇敬(すうけい)と思慕(しぼ)の情とを寄せているのである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
断(だん)じて非なりと信ずるゆえに、たとえ当年(とうねん)の男伊達(だて)の意気を思慕(しぼ)するとはいえ、こんにちの男一匹は長兵衛そのままを写して可(か)なりとは思わぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
この思慕(エロス)は彼の俳句に一貫しているテーマであって、独得の人なつかしい俳味の中で、葱(ねぎ)の匂(にお)いのように融(と)け流れている。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
即ち「昔々しきりに思う慈母の愛」「春あり成長して浪葉にあり」の情愁で、時間の遠い彼岸(ひがん)にある、或る記憶に対するのすたるじや、思慕(エロス)の川辺(かわべ)への追憶である。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)