快川和尚かいせんおしょう)” の例文
快川和尚かいせんおしょうが、幼心おさなごころへうちこんでおいた教えの力が、そのとき、かれの胸に生々いきいきとよみがえった。にっこりと笑って、涙をふいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父の遺風をうけて、彼も快川和尚かいせんおしょうから、その禅義を授かっていたが、同じ師、同じ禅を学んでも、信玄のような禅をかし得なかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでも、伊那丸は悲しい顔はしなかった。幼少からうけた快川和尚かいせんおしょう訓育くんいくと、祖父信玄しんげんの血は、この少年のどこかに流れつたわっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはまた信玄がふかく心契しんけいしていた道の師、恵林寺えりんじ快川和尚かいせんおしょうが筆になるものとは、どんな者でも知っていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれの天性の怪力は、父能登守のそれ以上で、幼少から、快川和尚かいせんおしょう胆力たんりょくをつちかわれ、さらに天稟てんぴんの武勇と血と涙とを、若い五体にみなぎらせている熱血児ねっけつじである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
悶々もんもんとやり場のない心を訴えようとしたのか、彼は、恵林寺えりんじ快川和尚かいせんおしょうを呼び迎えた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)