徽章しるし)” の例文
灰色の毛皮の敷物のはしを車の後に垂れて、横縞よこじま華麗はなやかなる浮波織ふはおり蔽膝ひざかけして、提灯ちようちん徽章しるしはTの花文字を二個ふたつ組合せたるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
爾来竜頭アサーと呼ばれた。これ英国で竜を皇旗とする始まりで、先皇エドワード七世が竜を皇太子の徽章しるしと定めた。
其一人の外被うわぎ青白赤せいはくせき三色の線ある徽章しるしおびたるはとうでもしるき警察官にして今一人は予審判事ならん、判事より少し離れたる所に、卓子ていぶるに向い何事をか書認かきしたゝめつゝ有るはたしかに判事の書記生なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)