御安堵ごあんど)” の例文
早々申上御安堵ごあんどさせ奉つらんと一※に存じこみ君臣のれいを失ひ候段恐入奉つり候よつて兩人は是より差控仕さしひかへつかまつる可と座を退しりぞかんとするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「もう、御安堵ごあんどなされませ。仰せの如く、十二、三ヵ所も、堤を切って立退きましたれば、毛利方の軍勢も、追い来るすべはございませぬ」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あれに見えます、二の曲輪です——。あの一かくだけは、もうお味方に収めてございますゆえ、御安堵ごあんどあそばすようにと申しあげたのです」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……それにせよ、尊氏が返答如何いかにと、重き御使みつかいを胸につかえておられたのでは、心から東景色あずまげしきもお楽しみのお眼には入るまい。その儀はどうぞ御安堵ごあんどあって
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『では、お台所へ毎日見える蒲焼屋でございましょう。あれなら、仔細はございませぬ、御安堵ごあんどなさいませ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「慈円様にも、御安堵ごあんどのようにお見うけ申されます」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)