御大切ごたいせつ)” の例文
「イイエ決して気には留めません、何卒どうか先生を御大切ごたいせつに、貴嬢あなた御大事ごだいじ……」みなまで言うあたわず、急いで門を出て了った。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
女は蒲団ふとんすべり下りた。そうして、「どうぞ御身体おからだ御大切ごたいせつに」と云って帰って行った。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御大切ごたいせつの身の上を御存じなれば何故なぜ夜夜中女一人のところへおいでなされました、あなた様が御自分にきずをお付けなさる様なものでございます、貴方あなただッて男女なんにょ七歳にして席をおなじゅうせず
「まあ、そんなに御大切ごたいせつなものなんですか……」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
長々なが/\留守になりますから、お前さんも身をおいといなすって御大切ごたいせつ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)