後生楽ごしょうらく)” の例文
旧字:後生樂
「そこを通る若い衆。ちょっと寄って行きならんか。活動ば見て、梨ば食べれば後生楽ごしょうらくじゃがな。夏は冬じゃないがな。日が長いがな」
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
「ぷッ、冗談いっちゃいけねえ。……六十尺もある崖に宙吊りになって、あんな後生楽ごしょうらくを並べていたお前さんでも、怖いものがありますのか」
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
門外はたから見ると文人の生活は極めて呑気に思われる。ノホホンだの後生楽ごしょうらくだの仙人だの若隠居だのという冷罵を我々は何百遍何千遍も浴びせられた。
駆逐されんとする文人 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
この後生楽ごしょうらくは何たることだ、酔興でこしらえたきずだらけのかおに、大口をあいていい心持で寝こんでいる。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「この曲は五常楽じゃが、私のためには、後生楽ごしょうらくじゃ、どれ今度は私が、往生のきゅうを弾こうか」
どこの米の虫か知らねえが、後生楽ごしょうらくを吹きやがって、おらたちの身になってみろい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしは後生楽ごしょうらくの人間ですから、とこへ這入つたが最後、夜のあけるまで一息にぐつすり寝込んで、夜なかに何があつても知らない方ですから、その晩もいい心持こころもちに寝てしまつたんですが
赤い杭 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ついぞ、そんなこと、思ってみたこともなければ、そばで誰が何といおうと平気なもんで、だからお前は後生楽ごしょうらくだの、苦労を知らないふところ育ちだのと、小倉君や三浦君によくそういわれます。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
ひつじかいの後生楽ごしょうらく
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)