後殿しんがり)” の例文
先登せんとうはヘッスラーで、次が私、フォイツは後殿しんがりである、ガイドの持ったランターンが、踏み固めた雪路に赤く滲んで、東へ東へと揺れて行く。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
上伊那の沢渡村さわどむらという方から片桐宿まで、こんな押し問答の末に一人の百姓を無理押しつけに供に連れて来た浪士仲間の後殿しんがりのものもあった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
後殿しんがりになっていたM氏は、其辺で太さ湯呑大の蛇が途によこたわっていたのを火光あかりかして見たそうだ。
武甲山に登る (新字新仮名) / 河井酔茗(著)
先登はヘッスラーで、次が私、フォイツは後殿しんがりである、ガイドの持ったランターンが、踏み固めた雪路に赤くにじんで、東へ東へと揺れて行く。
登山の朝 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
後殿しんがりの浪士は上伊那から引ッぱって来た百姓をなかなか放そうとしなかった。その百姓は年のころ二十六、七の働き盛りで、荷物を持ち運ばせるには屈強な体格をしている。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
肩のところでアルペンシュトックを突っ張ってると云う物騒なありさま、後殿しんがりのフォイツなんかは、どうしているのやら、仰ぬいて見るほどの余裕などは更に無い。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
先登せんとうはシュトイリ、次が私でカウフマンが後殿しんがりである、私の一行はカリッシュ君の先きに立った。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)