“待乳山”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まつちやま92.9%
まっちやま7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何故かというと、この渡場は今戸橋の下を流れる山谷堀さんやぼりの川口に近く、岸にあがるとすぐ目の前に待乳山まつちやまの堂宇と樹木がそびえていた故である。
水のながれ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
なんてェのは、望むほうが無理で、色よい返事を待乳山まつちやま——どころじゃアない。そのまつち山から、まず夜が明けそうです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
岸へ上った辺は花川戸はなかわどといいました。少し行くと浅草聖天町しょうでんちょうです。待乳山まっちやまの曲りくねった坂を登った上に聖天様の社があって、桜の木の下に碑があります。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
待乳山まっちやまを背にして今戸橋いまどばしのたもと、竹屋の渡しを、山谷堀さんやぼりをへだてたとなりにして、墨堤ぼくてい言問ことといを、三囲みめぐり神社の鳥居の頭を、向岸に見わたす広い一構ひとかまえが、評判の旗亭きてい有明楼であった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)