彼得ペートル)” の例文
……露西亜の彼得ペートル大帝は、和蘭オランダに行って造船術を習ったと歴史に書いてあるが、これは真赤な偽りで、実際は堕胎術と、毒薬の製法を研究に行ったのだ。
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
横井の理想的人物は、華盛東ワシントンにあり、佐久間の理想的人物は彼得ペートルにあり、奈破翁ナポレオンにあり。横井は曰く、「堯舜孔子の道を明らかにし、西洋器械の術を尽くす」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
露国もまた彼得ペートル帝以来不断西欧の文化を輸入し、宗教興隆と称して百姓ども仕来りの古儀旧式を撲滅せんとしたが、百姓にも五分のたましいなかなか承知せず、今に古儀旧法を墨守する者はなはだ多く
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
これ彼得ペートル大帝の宿志しゅくしを成せし一端にして、爾来じらい露国は一方においては亜米利加アメリカの西北なるアラスカを占領し、他方においては亜細亜アジアの東北を掩有えんゆうし、既にその利爪りそうわが千島に及べり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
彼得ペートル大帝は、そうして得た魔力でもって露西亜の宮廷を支配して、あれだけの勢力を得たもので、大帝の属するスラブ人種が、六十幾つの人種を統一して、大露西亜帝国を作ったのも
悪魔祈祷書 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
我邦における犬公方いぬくぼうの名ある疎胆そたん雄略の綱吉が将軍職にきたる明年(天和二年、一千六百八十二年)におよんでは、彼得ペートル大帝位にき、遠馭えんぎょ長駕、経略けいりゃくの猛志さらに百尺ひゃくしゃく竿頭かんとう一歩を進め
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)