彼処此処あちらこちら)” の例文
旧字:彼處此處
ひき越して五六日間は板を買つて来て棚を彼処此処あちらこちらに附けるのも面白いし、妻が瓦斯ぐわす煮沸にたきをするのを子供等と一緒に成つて珍らしさうに眺めたり
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
清吉はなおも泣き止まないで、受持教師が便所から出て来るのを待って、戸の外に立っていると、他の生徒は彼処此処あちらこちらの窓や、階子段はしごだんの陰から覗いてののしっている。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
着物はなし六百文の銭はさしが切れ、彼処此処あちらこちらへ散乱致して居りますのを拾い集めて漸く四百幾文いくら、五百に足りない銭を、これでも命の綱と思い、ずぶ濡れになって前橋の手前まで来ると
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)