庸劣ようれつ)” の例文
信雄は欣然きんぜんとして、長島へ帰った。庸劣ようれつなこの公達きんだちは、秀吉から約された微々たる戦捷せんしょうの分け前をもって、鬼の首でも取ったように、得々とくとくとして去った。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
史家評して庸劣ようれつと為す。思ふに実朝は庸劣為すなきの人に非ざりしも年歯弱少にして威中外に加はらず、その漸く長ずるに及んでかへつて早く北条氏のためにねたまれ終に刺客の手にたおれしなり。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
信雄のお人よしな庸劣ようれつさにくらべれば、信孝はなおいささかは骨があった。才略なき鼻ッぱしには過ぎなかったが、尾張の野間のままで逃げのびて、そこの一寺で腹を切った最期のもようも、さすがに
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)