幾抱いくかか)” の例文
幾抱いくかかえあるかわからないような老木ろうぼくだ。まるで、青羅紗あおラシャふくでもきているように、一面にあつぼったいこけがついていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬鹿七の植ゑた杉苗が、もう幾抱いくかかえもある大きなものになつて、高くそびえてゐます。そして此村は、五日目に風が吹き、十日目に雨が降り、田畑の作物が大変よく実ります。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
と後藤氏も幾抱いくかかえもあろうというその幹を見ております。