常套語じょうとうご)” の例文
ソノ他アラユル様々ナヿヲ、彼女ノ常套語じょうとうご真似まねレバ、ココニ書キ記スノモマコトニ恥シイヨウナイロイロナヿヲシテミタ。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼はその女を裸にして竹槍で突き殺させたあとで、今日われわれが子供の時から耳にタコができるほど学校で聞かされた常套語じょうとうごの元祖を放った。
そういう時に世人はよく理論と実際という常套語じょうとうごを持出して科学者の迂遠うえんを冷笑するのが例である。
物理学の応用について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「うん、おれは南海の龍だ!」これが頼宣の常套語じょうとうごであった。そこで号して南龍公なんりゅうこうという。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
単に唯心論者の常套語じょうとうごとばかりはいい退けてしまうことが出来ない。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それが僕のような少年を揶揄からか常套語じょうとうごであったのだ。僕はそれを試みた。しかし人に聞いたように愉快でない。そして跡で非道く頭痛がする。いてかの可笑しな画なんぞを想像して、反復して見た。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)