席捲せきけん)” の例文
古より東国には未だかつて無い大動揺が火の如くに起つて、またゝく間に無位無官の相馬小次郎が下総常陸上野下野を席捲せきけんしたのだから、感じ易い人の心が激動して、発狂状態になり
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
先に拿翁の蹂躪じうりんに遭ひ、今後更に慮るところあり。昔日暴風雨をしのぎ、疾雷閃電の猛威を以て、中原を席捲せきけんし去りたる夢は今何処いづこにかある。平和の君、平和の君、切に此邦このくにを憐れまれん事を願ふ。
想断々(2) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)