師直もろなほ)” の例文
両優ふたりとも若盛りで人気を争つてゐる間柄だつた上に、出し物は仮名手本かなでほん忠臣蔵で、仁左が師直もろなほ、鴈が判官はんぐわんといふ役割なので、双方の贔屓々々は両桟敷に分れて
うわははははは、この師直もろなほは、鮒侍などと、旧い摸型かたは行き申さぬ。当意即妙新案の、蝸牛くわぎう紳士は、どでござる。いざ改めて、今宵の肴に、紹介申すと。戯れて、笑はすつもりも、御念が入つては。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)