トップ
>
山岨
>
やまそば
ふりがな文庫
“
山岨
(
やまそば
)” の例文
実は、この段、
囁
(
ささや
)
き合って、ちょうどそこが
三岐
(
みつまた
)
の、一方は裏山へ上る
山岨
(
やまそば
)
の落葉の
径
(
こみち
)
。一方は崖を下る石ころ坂の急なやつ。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大鋸
(
おおが
)
のひびきも斧の音もきこえず、
馬鈴薯
(
じゃがいも
)
か
辣薤
(
らっきょう
)
か、葉っぱばかりさやさや揺れているしんとした
山岨
(
やまそば
)
の段々畑から派手なような寝ぼけたような歌ごえが聞えてくるというのは
生霊
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
ひとりゆくこの
山岨
(
やまそば
)
は落葉のみ溜り
湿
(
しめ
)
れり。落葉踏みつつ行けば、いづく飛び鵯高音うつ。かさこそり、
櫟
(
くぬぎ
)
の枯葉わがかたへまた声立てぬ。日おもての
草崖薄
(
くさがけすゝき
)
、その穂にも落葉かかれり。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
其年活けた最初の錦木は、奥州の忍の里、
竜胆
(
りんどう
)
は熊野平碓氷の
山岨
(
やまそば
)
で刈りつゝ下枝を透かした時、昼の半輪の月を裏山の峰にして、ぽかんと留まつたのが、……其の木兎で。
玉川の草
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひとりゆくこの
山岨
(
やまそば
)
は、落葉のみ溜り
湿
(
しめ
)
れり。落葉踏み踏みつつ行けば、いづく飛び鵯高音うつ。かさこそり、
櫟
(
くぬぎ
)
の枯葉わがかたへまた声立てぬ。日おもての
草崖薄
(
くさがけすすき
)
、その穂にも落葉かかれり。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
近江
(
おうみ
)
、越前の
国境
(
くにざかい
)
に
凄
(
すさま
)
じい
山嘯
(
やまつなみ
)
の
洪水
(
でみず
)
があって、いつも
敦賀
(
つるが
)
——
其処
(
そこ
)
から汽車が通じていた——へ
行
(
ゆ
)
く順路の、
春日野峠
(
かすがのとうげ
)
を越えて、
大良
(
たいら
)
、
大日枝
(
おおひだ
)
、
山岨
(
やまそば
)
を
断崕
(
きりぎし
)
の海に沿う
新道
(
しんみち
)
は、崖くずれのために
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山岨
(
やまそば
)
の
石畳道
(
いしだたみみち
)
にあたる日のこのあかるさよ冬とし思ふに
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
岨
漢検準1級
部首:⼭
8画
“山岨”で始まる語句
山岨道