屡次るじ)” の例文
宗義智はこの数年間屡次るじにわたつて朝鮮側と屈辱的な折衝を重ね、太閤の意志とうらはらな返翰へんかんを得て、之を中途で握りつぶしてゐたのであるから、露顕の恐怖に血迷つた。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
これだけでは十分な測量が出来ませんからで、技術上是非ぜひ劍山に二等測量標の建設を必要とするのであります、前年来屡次るじ登攀とうはんを試みましたが毎時登る事が出来ず失敗に帰しましたが
越中劍岳先登記 (新字新仮名) / 柴崎芳太郎(著)
これがその本来の理想の実現を妨げて、地上に刃をもたらす事が屡次るじである。その結果は枕骸ちんがい野にあまねく草木もために凄悲するという惨憺たる光景を呈するに至る。生きながらの地獄である。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
けだし「般若波羅蜜多」という事は、屡次るじ申し上げたごとく、彼岸へ渡るべき智慧の意味であり、同時にそれは迷いのこの岸から、悟りの彼岸へ渡った、仏のもっている智慧であります。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)