小夜曲セレナーデ)” の例文
たえず小声で唄っている歌詞の無い歌は——ドビュッシーの小夜曲セレナーデのシレーヌの歌のように——どんなに若い河童かっぱ達を悩殺したことでしょう。
小夜曲セレナーデ」にある夢二さんの歌は、たしかかうだとおぼえてゐる。(昭和十七年夏)
下町歳事記 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
ラジオがこの人混みの中で、静かな小夜曲セレナーデを奏していた。若い女中が奥さんの眼をかすめて、そっと高砂の式台の定価札をひっくり返してみた。屋上庭園では失恋者が猿にからかっていた。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
ないし小夜曲セレナーデの一曲を味わうだけでも充分だろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)