宏壮おおき)” の例文
旧字:宏壯
小諸の荒町から赤坂を下りて行きますと、右手に当って宏壮おおきな鼠色の建築物たてものは小学校です。その中の一むね建増たてましの最中で、高い足場の内には塔の形が見えるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日本橋呉服町に在る宏壮おおき建築物たてものの二階で、うずたかく積んだ簿書のうちに身をうずめながら、相川は前途のことを案じわずらった。思い疲れているところへ、丁度小使が名刺を持ってやって来た。原としてある。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)