安養寺あんようじ)” の例文
正保寺町から、旭小路に出て、安養寺あんようじに寄った。鐘楼の横の大銀杏が、風にざわめいているほか、境内は静かである。墓地に行った。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
東京の近くでは府中の安養寺あんようじに、かつて三世の住職に随逐ずいちくした筑紫三位という狸があって、それが書いたという寺起立の由来記を存し、横浜在の関村の東樹院とうじゅいんには
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
安養寺あんようじさんへ御挨拶にゆくために島を出る。——註。島へ移るまで私は湖畔の安養寺さんの離れに御厄介になっていた。——池田さんの炉ばたで話してるところへ福岡の妹が危篤きとくという電報がきた。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
使番安養寺あんようじ猪之助は、馬に鞭をあてて、木之本の方へ急いだ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
佐久さく安養寺あんようじという寺の庭にあって、始めて鎌倉から持って来た時には、ほんの一握りの小石であったものが、だんだん成長して四尺ばかりにもなったので、庭の古井戸の蓋にして置きますと
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
安養寺あんようじの鐘が鳴りよる」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)