“嬌名”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうめい60.0%
けうめい40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
芳町よしちょうやっこ嬌名きょうめい高かった妓は、川上音次郎かわかみおとじろうの妻となって、新女優の始祖マダム貞奴さだやっことして、我国でよりも欧米各国にその名を喧伝けんでんされた。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
お梶は、もう四十に近かったが、宮川町の歌妓うたいめとして、若い頃に嬌名きょうめいうたわれた面影が、そっくりと白い細面の顔に、ありありと残っている。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
かつて上野から下谷へかけて、一代の嬌名けうめいを馳せた美女が、さながら藍隈あゐくまを取つた鬼女の姿に變貌して居るのです。
婀娜あだたる容姿は陽春三月の桜花をして艶を失はしめ、腕のすごさは厳冬半夜のお月様をしておもておほはしめたり、新橋両畔の美形雲の如き間に立ちて、独り嬌名けうめいもつぱらにせる新春野屋の花吉が
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)